2010年11月3日水曜日

三洋電機、新3カ年計画2900億円投資 電池分野に6割 “全方位”展開

 三洋電機の佐野精一郎社長は11日、大阪府守口市の本社で、2013年3月期までに太陽電池やリチウムイオン電池などの環境エネルギー事業で約1700億円を投資する新3カ年経営計画を発表した。全社投資額の約6割に当たる規模で、経営資源を成長分野に集中投下することで経営体質を強化する。これらにより、最終年度の13年3月期の連結売上高で2兆円(10年3月期比25.4%増)に引き上げる考えだ。

 3年間の全社の投資額は2900億円で、このうち太陽電池に約500億円、充電池に約1200億円を投入、それぞれ生産能力の拡大に充てる。

 太陽電池は、大阪府貝塚市と島根県雲南市にあるセル製造拠点の生産能力を拡大する。主力の「HIT太陽電池」の発電効率を今期中に現在の20%から21%に高め、日本と欧州の住宅向けの販売を増やす。

 さらに効率向上を図った次世代太陽電池に関しては、親会社のパナソニックと共同開発。兵庫県尼崎市にあるパナソニックの薄型テレビ用プラズマパネル工場の1棟をセル製造拠点に転用し、次世代型太陽電池を製造する。

 充電池では、主に車載用リチウムイオン電池を強化する。主力のハイブリッド車(HV)向けに加え、家庭用のコンセントで充電するプラグインハイブリッド車(PHV)向けも11年に量産。国内外で供給先を特定メーカーに絞らない“全方位”販売を展開し、2020年には世界シェア40%を目指す。

 車載用以外にも、産業ロボット、建設機械用などの大容量市場も開拓し、充電池全体では13年3月期に10年3月期比23%増の約3700億円の売り上げを目指す。

 また、太陽電池で発電した電気を充電池に蓄え、電力の効率利用サービスも展開。海外展開も探り、16年3月期に1000億円規模の事業に育てる。

 太陽電池、充電池の両分野を強化することで売り上げと利益の増大を図る。これにより、13年3月期の連結営業利益は10年3月期比約2.8倍の900億円を目指す。佐野社長は「パナソニックグループの中で、環境エネルギー分野の牽引(けんいん)役になる」と強調した。

 一方、パナソニックとの白物家電の生産拠点統合に関しては、調理用家電などを製造する三洋電機コンシューマエレクトロニクス(鳥取市)について「過去最高の利益を出している」(佐野社長)と述べ、現時点で売却などを想定していないとの姿勢を示した。

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引用元:RMT(リアルマネートレード)専門サイト『RMTワンファースト』

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